はじめに|「野菜って高くない?」が、みんなの本音
最近スーパーで買い物をしていると、野菜の値段にびっくりすることが増えていませんか?
特に葉物野菜やトマトなどは、季節によって価格が倍近くになることも。
「健康のためには野菜を食べないと…」と思いながら、ついつい手が出せなかったり、買っても食べきれずにダメにしてしまったり。
そんな中でよく聞くのが「1日350gの野菜を摂りましょう」という厚生労働省の推奨。
でも正直、それって現実的なんでしょうか?
本記事では、そんなモヤモヤに寄り添いながら「野菜350gの真意」「実際どのくらい足りていないのか」「コストや時間の壁」「家族の健康を守るための工夫」まで、まるっと解説していきます。
1. 厚労省がすすめる「1日350g」の意味とは?
■「健康日本21」での数値基準
厚生労働省が掲げている健康づくりの目標「健康日本21(第二次)」では、「1日350g以上の野菜摂取」が推奨されています。
この数値には、以下のような意図があります。
- 生活習慣病予防(高血圧・糖尿病・がん)
- 食物繊維・ビタミン・ミネラルの安定供給
- 抗酸化作用による老化・疾患リスクの軽減
つまり、医療費削減のためにも「病気にならない体を作ってね」という国からのメッセージなんですね。
2. 実際の日本人の野菜摂取量は?
■厚労省データから見る「現実とのギャップ」
毎年公表されている「国民健康・栄養調査(2022年)」によると、日本人の野菜摂取量の平均は以下の通り:
- 全年齢平均:281.4g
- 20〜40代男性:240g前後
- 女性の方がやや多め
つまり、全体的に70g前後足りていないのが現実です。
3. 「350gって、どのくらいの量?」実感しづらい問題
■見た目でわかる「野菜350g」
例として、以下のような組み合わせが一日分です。
野菜 | 量 | グラム数 |
---|---|---|
トマト | 1個 | 約150g |
小松菜 | 1/2束(茹で) | 約100g |
にんじん | 中1/2本 | 約70g |
きのこ・海藻 | 付け合わせ | 約30g |
副菜2品+具だくさん汁物+サラダ or 炒め物
…といった感じでようやくクリア。けっこう大変ですよね。
4. 家計にも響く!野菜350gのコスト試算
■1人分の野菜、いくらかかる?
季節や地域、野菜の種類にもよりますが、目安として以下のようになります。
項目 | 金額 |
---|---|
一人分の野菜350g | 約150〜200円/日 |
月30日 | 4,500〜6,000円 |
4人家族だと? | 月18,000〜24,000円 |
しかも、調理の手間や廃棄ロスも加味すると、さらに負担は増します。
5. 「野菜を食べる時間がない!」という現代人の悩み
■洗う・切る・火を入れる=全部時間がかかる
忙しい朝や仕事終わりの夕食時、「野菜料理を一品追加しよう」と思っても、ついつい面倒になってしまうもの。
野菜は火の通り方もそれぞれ違い、“ササっと済ませたい”料理と相性が悪いのが現実です。
また、子どもや高齢者にとっては**「噛む」ことの負担**もあり、摂取量が少なくなりがち。
6. 野菜不足が招く健康リスクとは?
- 便秘・腸内環境の悪化:食物繊維不足
- 高血圧:カリウム不足によるナトリウム排出低下
- 糖尿病リスク増加:血糖コントロール悪化
- 老化の促進:ビタミン・抗酸化物質不足
- 免疫力低下:腸内細菌叢の乱れ
日々の「ちょっとした不足」が、5年後、10年後の健康状態を左右します。
7. 家族の健康のために!野菜を「手軽に」摂る5つの工夫
① 冷凍野菜・カット野菜を活用
- 洗わず・切らず・すぐ加熱OK
- 冷凍ブロッコリー・小松菜・ほうれん草などが便利
② 具だくさん味噌汁・スープ
- 1杯で100g以上の野菜が摂れる
- にんじん、大根、ごぼう、キャベツなどを入れて
③ 作り置き常備菜で「副菜のクセづけ」
- 切り干し大根、ほうれん草のおひたし、ひじき煮など
- 日持ちするのでお弁当にも便利
④ 朝食に「野菜ジュース or スムージー」
- 100%野菜ジュースを使うのもアリ(糖質は要確認)
- 手作りスムージーに葉物+バナナ+豆乳なども
⑤ 野菜多めのお惣菜を賢く選ぶ
- スーパー・コンビニでも「かぼちゃの煮物」「野菜炒め」「サラダ」など
- 外食でも「付け合わせの野菜を残さない」意識が大切
8. 子どももパパも野菜を食べてくれない…どうする?
- カレーやオムライスにすりおろし野菜を忍ばせる
- ポタージュスープにして滑らかに
- 「〇〇のために野菜食べるぞ!」と目的を共有する 例:風邪ひかない体にする!スポーツのパフォーマンス向上!
家族みんなが「野菜=健康のための投資」と思えると、自然と食卓が変わっていきます。
まとめ|完璧じゃなくてもいい。今日から一品、野菜をプラス
「350g食べなきゃダメ!」と数字に縛られると、かえって続きません。
でも「ちょっと足りてないかも?」と気づいて、一品でも、あと50gでも増やす努力が健康につながります。
高い、面倒、時間がない…そんな悩みに寄り添いながら、家族の未来のために“野菜を一口ずつ”積み重ねていくのが大切です。

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