第1章 はじめに:理由のわからない「しんどさ」
季節が移り変わる時期になると、
- やたらと眠い
- 気分が重い
- なんだか不安になる
- やる気が湧かない
- いつもより涙もろい
……こういう変化に気づくことはありませんか?
「性格が弱いから?」
「メンタルが落ちてるから?」
「自分だけがおかしいの?」
——そんなことはありません。
季節の変わり目に心が揺らぐのは、“体に起きている自然な変化”です。
人間の体は、環境の影響をとても強く受けます。
特に「気温・気圧・日照時間」の変動は、自律神経とホルモンバランスを大きく揺らします。
つまり、
気持ちが落ちるのは「心の問題」ではなく「生理的な反応」。
だからまずは、
「しんどいのは、自分のせいじゃない。」
そう理解することから始めましょう。
第2章 季節の変わり目に体で起こること
季節が動くとき、外の環境は“細かく、でも強烈に”変わります。
① 気温差のストレス
朝晩と昼の寒暖差が大きい季節は、
体は温度調整のために血管を収縮・拡張させ続けます。
→ これは立っているだけでもエネルギー消費が大きい。
だから、
- だるい
- 疲れやすい
- 寝ても回復しない
は当たり前の反応。
② 気圧の変化
低気圧が近づくと、体内の水分バランスや血管の広がりが変わります。
内耳が敏感な人は、自律神経が大きく揺さぶられる。
「天気で頭痛がする人」はこのタイプ。
③ 湿度と空気の変化
空気が乾いたり湿ったりすると、呼吸リズムが変わります。
呼吸は自律神経と直接つながっているので、心の安定にも影響します。
第3章 自律神経が乱れるとメンタルが落ちる理由
自律神経は、体の「オン」と「オフ」を切り替える司令塔。
| 神経 | 役割 | 心と体の状態 |
|---|---|---|
| 交感神経(オン) | 戦う・動く | 緊張・焦り・浅い呼吸・寝つきが悪い |
| 副交感神経(オフ) | 休む・回復する | だるい・眠い・やる気が出ない |
季節の変わり目は、この切り替えがうまくできなくなる。
つまり、
- オンに偏る → 不安・イライラ
- オフに偏る → だるさ・無気力
どちらも、あなたのせいではなく、身体が環境に合わせようと奮闘している証拠。
第4章 ホルモン分泌のリズムが崩れる
特に大きいのは 日照時間の変化。
☀️ 太陽を浴びると作られるホルモン
- セロトニン(心を安定させる、元気のホルモン)
日照時間が減る → セロトニンが減る → 気分が落ちる。
また、セロトニンは夜になると メラトニン(睡眠ホルモン) に変換されるため、
- 朝起きられない
- 夜眠れない
という「昼夜逆転モード」になりやすい。
睡眠の乱れはメンタルの乱れと直結します。
第5章 脳が「冬準備モード」に入る
人間にも、動物の“冬眠スイッチ”の名残があります。
- 寒くなる時期
- 日照時間が減る時期
このとき脳は
「エネルギー節約モードに切り替えろ」と指令を出します。
これが、
- やる気が出ない
- 家にいたい
- 動く気がしない
という状態の 本能的な理由。
あなたが怠けているわけじゃない。
体が「冬に備えている」だけ。
第6章 気力が落ちたときにやってはいけないこと
ここで多くの人がやってしまって悪化する行動があります。
❌「気合いで戻す」
→ さらに自律神経が乱れるだけ
❌「自己嫌悪する」
→ 脳がストレスとして処理 → もっと落ちる
❌「無理にポジティブになる」
→ 感情を押し込める → 反動で爆発
季節変動は、戻すものではなく「やり過ごすもの」。
低速運転でいい。
第7章 季節メンタルを整える具体的な方法
① 朝の光を浴びる(3分でいい)
セロトニンが即刺激され、脳が「起きる」モードに入る。
② 寝る前、首と肩を温める
副交感神経が優位 → 寝つきが良くなる。
③ 呼吸は“吸う”より“吐く”を長く
自律神経は 吐くときに整う。
④ 噛む回数を増やす
咀嚼はセロトニン神経に直結
→ メンタル安定に直効き。
第8章 元気な日の「未来の自分の味方づくり」
- レトルト・冷凍スープのストック
- 電気毛布や湯たんぽ
- 好きな香りを一つだけ決めておく
- 「連絡不要で会わないでいい」休息日を構造的に作っておく
しんどい日は“備えていたものを使うだけ”で生きればOK。
第9章 おわりに:心は季節と一緒に動いている
季節が動くように、
心にもリズムがある。
ずっと元気な人なんていない。
落ちるのは、悪いことじゃない。
しんどい自分も、生きている証拠。
そして、ちゃんとまた戻ってくる。
あなたは大丈夫。
季節と同じように、循環しているだけだから。



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