痛風とは?原因・症状・治療法・予防まで徹底解説
痛風とは?
痛風とは、体内に過剰に蓄積された尿酸が結晶化し、関節に沈着することで激しい炎症を引き起こす疾患です。特に足の親指の付け根(母趾中足趾節関節)に痛風発作が起こることが多く、突然の激しい痛みや腫れを伴います。
痛風は主に中高年の男性に多く見られ、食生活や生活習慣が大きく関係しています。肉類やアルコールを好む食習慣、運動不足、ストレスが原因となることが多く、生活習慣病と密接に関わる疾患の一つです。
痛風の原因
痛風の直接的な原因は、高尿酸血症です。尿酸はプリン体の代謝産物であり、主に腎臓から排泄されます。尿酸値が高くなる原因には、次の2つのタイプがあります。
1. 尿酸の産生過剰
- 細胞の代謝機構の異常
- 核酸を多く含む食品(レバー、魚卵、肉類など)の過剰摂取
- アルコール摂取(特にビール、日本酒などプリン体を多く含むもの)
- 過度なストレスや運動による代謝の活発化
2. 尿酸の排泄低下
- 腎機能の低下(遺伝的要因や慢性腎臓病など)
- 肥満(インスリン抵抗性により尿酸排泄が低下)
- 利尿薬の使用(高血圧治療薬などが尿酸の排泄を妨げる)
尿酸の血中濃度が7.0mg/dLを超えると、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症のうち、尿酸の産生過剰は約10%、排泄低下が約90%を占めるとされています。
痛風の症状
痛風の主な症状は以下の通りです。
1. 痛風発作
突然、関節(特に母趾関節)に激しい痛みが生じ、赤く腫れ上がります。痛みは数時間でピークに達し、5~7日ほど続いた後に自然に軽快します。
2. 慢性関節炎
発作を繰り返すうちに、関節の炎症が慢性化し、変形や機能障害を引き起こすことがあります。
3. 痛風結節
長期間にわたる高尿酸血症により、耳介や皮下に尿酸塩結晶が沈着し、こぶ状の腫瘤(痛風結節)ができることがあります。
4. 腎障害(痛風腎)
尿酸塩結晶が腎臓に沈着し、腎機能が低下すると、最終的には腎不全に進行し、透析治療が必要になることもあります。
痛風の治療法
痛風の治療は、痛風発作の抑制と高尿酸血症の管理に分かれます。
1. 痛風発作の治療
痛風発作が起こった際には、以下の治療が行われます。
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬): 痛みや炎症を和らげる
- コルヒチン: 発作を早期に抑える
- ステロイド: 重症例に使用
発作が治まるまで安静にし、患部を冷やすことも有効です。
2. 高尿酸血症の治療
発作の再発を防ぐために、以下の薬物療法が行われます。
- 尿酸産生抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタットなど): 尿酸の生成を抑える
- 尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロンなど): 腎臓からの尿酸排泄を促進
薬物療法に加え、生活習慣の改善も重要です。
痛風の予防法
痛風の発症や再発を防ぐためには、日常生活の見直しが不可欠です。
1. 食生活の改善
- プリン体を多く含む食品の摂取を控える(レバー、魚卵、赤身肉など)
- アルコール摂取を控える(特にビール、日本酒)
- 水分を十分に摂る(尿酸排泄を促進するため)
- 野菜や乳製品を積極的に摂る(低脂肪乳製品は尿酸値を下げる効果がある)
2. 適度な運動
運動不足は肥満の原因となり、尿酸の排泄を低下させます。過度な運動は尿酸値を上昇させるため、ウォーキングや水泳などの軽めの運動を習慣化することが推奨されます。
3. 生活習慣の見直し
- ストレスを溜めない(ストレスは尿酸値を上昇させる)
- 適正体重を維持する(肥満は尿酸排泄を妨げる)
- 規則正しい生活を送る(睡眠不足や過労を避ける)
まとめ
痛風は、生活習慣と密接に関係している疾患です。痛風発作は激しい痛みを伴いますが、適切な治療と生活習慣の改善により、発作の再発を防ぐことが可能です。尿酸値の管理をしっかり行い、健康的な生活を心がけることで、痛風のリスクを減らすことができます。
痛風にならないためには、バランスの取れた食生活・適度な運動・規則正しい生活を意識することが大切です。健康的なライフスタイルを実践し、痛風を未然に防ぎましょう!

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