健康寿命を延ばすスクワット|下半身を鍛えるだけで若返る科学

運動関連
  1. 🏋️‍♀️第1章 なぜ「スクワット」は筋トレの王様と呼ばれるのか
  2. 🦵第2章 スクワットで鍛えられる主要な筋肉部位
    1. 🔹大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
    2. 🔹ハムストリングス
    3. 🔹大殿筋
    4. 🔹内転筋群
    5. 🔹腸腰筋(ちょうようきん)
    6. 🔹体幹(腹筋・背筋)
  3. 🔥第3章 スクワットの消費カロリーと運動強度
    1. 運動強度の目安(METs:運動代謝当量)
  4. 💨第4章 アフターバーン効果(EPOC)のメカニズム
  5. 🧍‍♀️第5章 フォームが9割:正しいやり方とNG姿勢
    1. ✅正しいフォームの基本ステップ
    2. ⚠️NGフォームとそのリスク
    3. 💡プロのワンポイント
  6. 🔄第6章 目的別スクワットメニュー
    1. 🔹①ダイエット・脂肪燃焼目的
    2. 🔹②筋肉量アップ・ボディメイク目的
    3. 🔹③姿勢改善・健康維持目的
    4. 🔹④下半身の引き締め・ヒップアップ目的
    5. 💡セット間の休憩目安
    6. 🔹⑤時間がない人向け:「1日1分スクワット」
  7. 🍗第7章 スクワット×栄養=筋肉を育てるゴールデンバランス
    1. 🥩タンパク質:筋肉の“材料”
    2. 🍚炭水化物:筋肉を動かす“燃料”
    3. 🧂ミネラル&ビタミン:代謝の“潤滑油”
    4. 💧水分:筋肉の70%は水
    5. 🧃おすすめの組み合わせ例
  8. 🌿第8章 スクワットがもたらす健康・美容・メンタルの変化
    1. 🩸1. 健康面の変化
      1. ■ 基礎代謝アップで「太りにくい体」に
      2. ■ 血糖値・脂質代謝の改善
      3. ■ 骨密度アップ・ロコモ予防
    2. 💆‍♀️2. 美容・体型の変化
      1. ■ ヒップアップ&美脚効果
      2. ■ 冷え・むくみ改善
      3. ■ 姿勢矯正・猫背改善
    3. 🧠3. メンタル面の変化
      1. ■ ストレス耐性が上がる
      2. ■ 自信がつく・気分が前向きに
      3. ■ 睡眠の質が改善
  9. 👨‍👩‍👧第9章 年齢別スクワット戦略|一生使える「動ける体」を
    1. 🧍‍♂️20〜30代:筋肉の「貯金期」
    2. 🧍‍♀️40〜50代:健康維持と代謝キープの時期
    3. 👴60代〜:ロコモ・フレイル予防
    4. 👶全年齢共通の心得:「継続が最強」
  10. 💎第10章 まとめ|スクワットは人生を支える“健康投資”
    1. 🧭1. スクワットが築く「健康資産」
    2. 💪2. 科学的にも証明された「幸福度の高い運動」
    3. 🌞3. 「1日10回」から始めよう
    4. 💬4. 10年後のあなたへ

🏋️‍♀️第1章 なぜ「スクワット」は筋トレの王様と呼ばれるのか

筋トレの定番といえば“スクワット”。
ジムでも自宅でも、器具を使わずにできるシンプルな動作なのに、その効果は絶大です。なぜこれほどまでに「スクワット=最強」と言われるのでしょうか?

その答えは、“全身の筋肉連動”と“代謝への影響力”にあります。
人間の筋肉は、下半身に約70%が集中しています。とくに太もも・お尻・腰回りの筋群は、歩く・立つ・座るなどの日常動作すべてを支える「身体の土台」です。スクワットは、この最大の筋肉群を同時に動員する全身運動。わずか数分でもエネルギー消費が大きく、心拍数・代謝・血流を一気に高めてくれます。

また、筋肉を動かすことでホルモンバランスも整います。成長ホルモン・テストステロン・セロトニンの分泌が促され、代謝アップ・脂肪燃焼・メンタル安定のすべてを同時に得られるのがスクワットの魅力。

つまり、スクワットは単なる脚の運動ではなく、

  • ダイエット(脂肪燃焼)
  • 健康維持(筋力維持・血糖コントロール)
  • 美容(姿勢・ヒップライン・血行促進)
  • メンタル安定(ホルモン調整)
    を網羅する“全身健康運動”なのです。

現代人は座りすぎ、歩かなすぎによって脚の筋力が急速に落ちています。スクワットを習慣にすることは、**「人間としての機能を保つための基本動作」**を取り戻す行為と言えるでしょう。


🦵第2章 スクワットで鍛えられる主要な筋肉部位

スクワットの効果を理解するには、どの筋肉が働いているのかを知ることが大切です。
スクワットは、単なる下半身運動ではなく、**全身の連鎖筋群を動員する複合的トレーニング(コンパウンド種目)**です。

🔹大腿四頭筋(だいたいしとうきん)

太ももの前面にある4つの筋肉の総称。膝を伸ばす動作で最も活躍します。階段を登る、椅子から立ち上がるといった日常動作の要で、加齢によって衰えやすい部位でもあります。
→ 鍛えることで、膝の安定・転倒予防・脚のライン改善に直結。

🔹ハムストリングス

太ももの裏にある大きな筋肉群。骨盤を後ろに引き、膝を曲げる動作に関与します。
→ この筋肉が強くなると、お尻の位置が上がり、姿勢が美しくなります。
また、ハムストリングスは脂肪燃焼を促す代謝筋でもあり、下半身太りの改善に効果的です。

🔹大殿筋

人体で最も大きな筋肉。お尻の形をつくるだけでなく、直立姿勢を維持するための重要な筋です。
→ 鍛えることでヒップアップ・骨盤矯正・腰痛予防につながります。
また、筋肉量が多いためエネルギー消費が大きく、基礎代謝の底上げに最も寄与する部位です。

🔹内転筋群

太ももの内側を走る筋群。足を閉じる動作で使われます。
→ 脚の引き締め・骨盤の安定に関与し、“美脚筋”とも呼ばれます。
特に女性はここが弱いとO脚や骨盤の歪みを引き起こしやすいので、スクワットで自然に補えるのは大きなメリットです。

🔹腸腰筋(ちょうようきん)

腰の奥のインナーマッスル。姿勢保持・歩行時の脚上げに関与。
→ デスクワークで弱りやすく、腰痛や猫背の原因になる筋肉です。
スクワットでは、腹圧をかけることで腸腰筋も強化され、立ち姿の安定感と腹部の引き締まりを得られます。

🔹体幹(腹筋・背筋)

スクワット中、上体を支えるために常に働いているのが体幹部。
フォームを維持するために腹圧をかけ続けることで、自然とお腹周りの筋肉が引き締まります。
つまりスクワットは、脚・お尻・背中・腹筋すべてを連動させる「究極の全身運動」なのです。


🔥第3章 スクワットの消費カロリーと運動強度

スクワットの消費カロリーは、体重や動作スピードによって変動しますが、体重60kgの人が10分間行うと約70〜100kcal
この数値は、ウォーキング30分とほぼ同等です。

しかし重要なのは、「スクワットは筋肉量を増やす」点。
筋肉は代謝のエンジンであり、1kg増えると1日あたり約50kcal多く消費するといわれます。
つまり、スクワットを続ける=“燃えやすい体質”をつくる投資です。

運動強度の目安(METs:運動代謝当量)

  • 座ってテレビを見る:1.3METs
  • 普通の歩行:3.0METs
  • スクワット(中程度):6.0METs
  • 高強度スクワット:8.0〜10METs

これは、筋トレの中でも非常に高い強度です。
体重60kgで10分間スクワットを続けた場合の消費量を式にすると:

60(kg)×6.0(METs)×0.0175×10(分)=63kcal

これが基準値ですが、動作を深く・テンポよく行えば、1回あたり0.5〜1kcal程度の消費にもなります。
100回やれば約50〜100kcal。たった数分で軽いランニング並みのカロリーを消費できるのです。

さらに後述する「アフターバーン効果」によって、運動後も脂肪が燃え続けるため、実質的な総消費カロリーは150〜200kcal以上に達することも珍しくありません。


💨第4章 アフターバーン効果(EPOC)のメカニズム

スクワット最大の魅力が、**「運動後も燃え続ける体」をつくること。
この現象を「アフターバーン効果」または
EPOC(Excess Post-Exercise Oxygen Consumption)**と呼びます。

高強度の筋トレを行うと、体は筋繊維の修復や乳酸の分解、ホルモン分泌の調整に大量のエネルギーを使います。
その過程で酸素需要が増え、運動を終えても体は“回復のために酸素を燃やし続ける”状態になります。
この代謝の余熱がアフターバーンです。

研究によると、高強度のスクワットを20分行った後、24〜48時間にわたって基礎代謝が10〜15%上昇するというデータも。
たとえば、安静時に1日1500kcal消費する人なら、運動後の1〜2日間で+150〜200kcal燃える計算になります。

つまり、スクワットは“その場だけのカロリー消費”ではなく、
「未来の燃焼力を上げる」代謝投資なのです。

この効果を最大化するには、

  • 下半身全体を使う深いスクワット(フルスクワット)
  • インターバルを短くする(心拍を維持)
  • 呼吸を止めずに行う(酸素供給を促す)
    がポイント。

アフターバーンは筋トレ上級者だけの特権ではなく、初心者でも正しいフォームで行えばしっかり得られます。
「5分で終わるスクワットが、48時間あなたを燃やし続ける」——これがスクワットの本質です。


🧍‍♀️第5章 フォームが9割:正しいやり方とNG姿勢

スクワットは、フォームが美しいほど効果が高まり、ケガのリスクが減ります。
逆にフォームが崩れると、膝痛・腰痛・筋肉バランスの崩れを引き起こします。
ここでは、科学的に正しいフォームを徹底解説します。

✅正しいフォームの基本ステップ

  1. 足幅は肩幅よりやや広め
     安定感を確保することで、下半身全体に負荷を均等にかけられます。
     つま先は約15〜30度外向きにして、膝と同じ方向をキープ。
  2. 背筋をまっすぐ伸ばす
     猫背は腰を痛める最大の原因。
     骨盤を立て、頭からお尻まで一直線を意識します。
  3. お尻を後ろに引くように下げる
     「しゃがむ」ではなく「お尻を後ろに突き出す」イメージ。
     これにより大殿筋とハムストリングスが主導的に働き、太ももの前だけに負荷が偏りません。
  4. 太ももが床と平行になる位置まで
     深くしゃがむ(フルスクワット)ほど筋肉の可動域が広がりますが、初心者は**ハーフ(膝角度90°)**から始めてOK。
  5. かかとで地面を押して立ち上がる
     膝ではなく、かかと・お尻・もも裏で押し上げる意識を。
     この動作で“ヒップアップ効果”が最大化します。
  6. 呼吸を止めない
     下げるときに吸って、上がるときに吐く。
     呼吸を止めると血圧が上がりやすく、めまいや頭痛を起こすことがあります。

⚠️NGフォームとそのリスク

NG動作起きる問題
膝がつま先より前に出る膝関節への負担。痛みや炎症の原因に。
背中が丸まる腰椎へのストレス。腰痛・ぎっくり腰リスク。
かかとが浮く負荷が前に逃げ、太もも前ばかり使う。
勢いで上下筋肉への刺激が減り、ケガの原因。
視線が下がるバランスを崩しやすく、姿勢が悪化。

初心者は、壁やイスを使うとフォームを安定させやすいです。
「壁スクワット」「イススクワット」などの補助付きで練習すると、正しいフォームが身につきます。


💡プロのワンポイント

  • 鏡を横に置き、自分の動きを確認。
  • 膝が内側に入る人は**「ニーイン防止」**のために、つま先と膝を同方向に意識。
  • 体幹を固める意識で、腹圧を高めるとフォームが安定。

スクワットは「どれだけ重いものを持つか」よりも、
**「どれだけ正しいフォームを維持できるか」**が重要です。


🔄第6章 目的別スクワットメニュー

スクワットの目的は人によって異なります。
「脂肪を落としたい」「ヒップアップしたい」「健康維持をしたい」など、ゴールに合わせて回数・負荷を調整することで効果が何倍にも変わります。


🔹①ダイエット・脂肪燃焼目的

  • 回数:15〜20回×3セット
  • テンポ:1回につき「下げ3秒・上げ2秒」
  • 休憩:30秒以内(心拍を落とさない)
  • ポイント:やや浅めでテンポよく行う

脂肪燃焼のカギは「心拍数の維持」。
軽めの負荷でテンポよく行うことで、有酸素運動の要素も取り入れられます。
また、運動後にアフターバーン効果が発動し、24時間燃え続ける代謝モードに。


🔹②筋肉量アップ・ボディメイク目的

  • 回数:10〜12回×3セット
  • 負荷:自重〜ダンベル(3〜10kg)
  • テンポ:ゆっくり下げて(3秒)一気に上げる(1秒)

筋肥大を狙うなら「スロースクワット」が最適です。
筋繊維を長時間緊張させることで、筋損傷→修復→成長のサイクルを強く刺激します。
とくに大殿筋とハムストリングスを意識すると、ヒップアップ・脚長効果が顕著に出ます。


🔹③姿勢改善・健康維持目的

  • 回数:10回×2セット
  • 強度:軽め、自重でOK
  • フォーム重視:深さより姿勢を意識

在宅ワークやデスクワークが多い人におすすめ。
背筋を伸ばして体幹を安定させることが目的なので、**“筋肉のスイッチを入れる体操”**として取り入れます。
1日朝と夜に10回ずつでも効果は十分。


🔹④下半身の引き締め・ヒップアップ目的

  • 種目:ワイドスクワット or ブルガリアンスクワット
  • 回数:各15回×3セット
  • ポイント:内もも・お尻の筋肉を意識

足幅を広くとるワイドスクワットは、内もも(内転筋)とお尻(大殿筋)にダイレクトに効きます。
脚を閉じ気味の通常スクワットでは刺激が届きにくい部位なので、女性に特に人気です。


💡セット間の休憩目安

目的休憩時間
ダイエット系30〜45秒
筋肥大系60〜90秒
健康維持30秒以下

短すぎるとフォームが崩れ、長すぎると代謝が下がるため、**「息が整う程度」**が最適ラインです。


🔹⑤時間がない人向け:「1日1分スクワット」

忙しい人は、1分でもOK。
「朝歯磨き中に10回」「テレビCM中に10回」「入浴前に10回」など、日常に混ぜるだけで継続できます。
継続こそが最大の筋トレ効果。1回1回の質を意識して積み重ねましょう。


🍗第7章 スクワット×栄養=筋肉を育てるゴールデンバランス

筋トレの効果を決めるのは「トレーニング2割・栄養8割」。
どんなに正しいフォームで頑張っても、栄養が足りなければ筋肉は成長しません。
ここでは、筋肉をつくるための栄養戦略を解説します。


🥩タンパク質:筋肉の“材料”

スクワットで筋肉が刺激を受けると、筋繊維は一度「壊れ」ます。
その修復過程で筋肉が太く・強くなるため、材料となるタンパク質が不可欠。

  • 目安摂取量:体重×1.2〜1.6g/日
     (体重60kgなら72〜96g)
  • タイミング:運動後30分以内が「ゴールデンタイム」

食材例:

  • 鶏むね肉、卵、魚、大豆製品、ヨーグルト
  • プロテインドリンク(ホエイ or ソイ)も便利

💡ポイント:
スクワット直後は吸収の早いホエイプロテイン、食事では魚・大豆で長時間持続吸収を狙うと◎


🍚炭水化物:筋肉を動かす“燃料”

筋肉を動かすエネルギー源は「筋グリコーゲン」。
糖質を抜くダイエット中は燃料が足りず、筋肉分解を招きやすくなります。

おすすめは低GI炭水化物

  • オートミール
  • 玄米
  • さつまいも
  • 全粒粉パン

これらは血糖値を緩やかに上げ、エネルギーを長持ちさせます。
「タンパク質+炭水化物」を一緒に摂ると筋肉合成が促進されるため、朝食やトレ後の食事にセットで摂るのが効果的です。


🧂ミネラル&ビタミン:代謝の“潤滑油”

  • ビタミンB群(豚肉・納豆・玄米):エネルギー代謝を助ける
  • マグネシウム(ナッツ・海藻):筋収縮をスムーズに
  • 鉄分(赤身肉・レバー・ひじき):酸素供給に必須
  • ビタミンD(魚・きのこ類):筋力低下予防

これらが不足すると、筋肉の合成効率が落ちます。
「プロテインを飲んでいるのに筋肉が増えない…」という人は、ビタミン・ミネラル不足を疑いましょう。


💧水分:筋肉の70%は水

筋肉は水の塊です。
脱水状態では筋肉が硬くなり、パフォーマンスが低下します。
運動中は15分ごとに100〜150mlの水分を摂るのが理想。
水分+ナトリウム(塩)を少し補うと、筋肉のけいれん予防にもなります。


🧃おすすめの組み合わせ例

タイミング食事内容
トレーニング30分前バナナ+ヨーグルト(軽く糖質補給)
トレーニング後プロテイン+水 or 牛乳
食事鶏むね肉+玄米+味噌汁(B群・ミネラル補給)
間食ゆで卵 or ナッツ(良質脂質)

筋肉は「壊す→栄養で修復→強くなる」サイクルの繰り返しです。
つまり、トレーニングだけでは完成しない。栄養と休息があって初めて筋肉は育つ。

スクワットを「筋トレ」としてではなく、「体を育てる生活習慣」として捉えることが、長期的な健康資産づくりの第一歩です。


🌿第8章 スクワットがもたらす健康・美容・メンタルの変化

スクワットは見た目を変えるだけでなく、体の内側の機能を整えます。
血流・代謝・ホルモン・神経伝達——すべてに作用する“全身の再起動スイッチ”とも言える運動です。


🩸1. 健康面の変化

■ 基礎代謝アップで「太りにくい体」に

筋肉は“カロリーを燃やす組織”。
スクワットで太もも・お尻などの大筋群を鍛えると、1日の基礎代謝が上がり、「何もしなくても燃える体」になります。
1kgの筋肉増加で1日約50kcal多く消費するため、2〜3kgの筋肉増加で1か月に約4500kcal=体脂肪0.6kg分
の差が生まれます。

■ 血糖値・脂質代謝の改善

下半身の筋肉は“第二の心臓”。血液をポンプのように押し上げ、全身の循環を助けます。
筋肉に糖を取り込む力(インスリン感受性)も高まり、糖尿病・高脂血症のリスク低下に直結。
実際、運動習慣のある人は2型糖尿病の発症リスクが最大30〜40%低下するという報告もあります。

■ 骨密度アップ・ロコモ予防

スクワットの負荷は骨への刺激にもなります。
重力方向に負担をかける“抗重力運動”は、骨芽細胞を活性化させて骨密度を高めます。
特に女性は閉経後に骨量が減少しやすいため、週3回のスクワット習慣で骨粗鬆症予防が可能です。


💆‍♀️2. 美容・体型の変化

■ ヒップアップ&美脚効果

お尻の大殿筋と太ももの裏(ハムストリングス)を使うことで、自然とヒップラインが引き上がります。
下半身全体のバランスが整い、脚のラインもまっすぐに。
“骨盤の歪み”が整うため、見た目年齢がぐっと若返ります。

■ 冷え・むくみ改善

デスクワークなどで血流が滞ると、脚の冷えやむくみが発生します。
スクワットは脚全体の血液とリンパの流れを改善し、**「体液循環のポンプ運動」**として機能します。
継続すると足首・ふくらはぎ・太ももが引き締まり、立ち姿が軽やかになります。

■ 姿勢矯正・猫背改善

体幹と下半身を同時に鍛えるため、姿勢が劇的に改善します。
骨盤が立ち、背骨のS字カーブが正常化。
スマホ首・巻き肩など、現代人特有の姿勢トラブルも軽減します。


🧠3. メンタル面の変化

■ ストレス耐性が上がる

スクワットをすると、脳内でセロトニン・ドーパミン・エンドルフィンが分泌されます。
これらは“幸せホルモン”と呼ばれ、ストレスホルモンのコルチゾールを抑制。
不安やイライラが減り、精神が安定しやすくなります。

■ 自信がつく・気分が前向きに

筋肉がつくことで、見た目の変化→自己肯定感アップ→継続のモチベーション上昇という好循環が生まれます。
「体を変えられた」という成功体験は、他の行動(仕事・ダイエット・人間関係)にも波及します。

■ 睡眠の質が改善

下半身の筋肉を使うことで、夜の副交感神経が優位になり、眠りが深くなります。
運動後に体温が一時的に上がり、下がるときに眠気が起きる“入眠リズム”も整います。

💬つまり、スクワットは「心・体・見た目」を一括リセットする運動。
5分の努力で、24時間“整った自分”をつくることができます。


👨‍👩‍👧第9章 年齢別スクワット戦略|一生使える「動ける体」を

スクワットは、10代から80代まで誰でもできる“生涯筋トレ”。
ただし、年齢によって目的・強度・フォームを変えることが重要です。


🧍‍♂️20〜30代:筋肉の「貯金期」

この時期に筋肉をつけておくと、40代以降の代謝低下を大幅に防げます。

  • 筋肉量がピークに達する時期
  • テストステロン・成長ホルモンの分泌が多い
    → 強度を上げても回復が早い

おすすめメニュー:

  • 自重+ダンベルで10〜12回×3セット
  • 週3〜4回ペース
  • 脚・お尻の形を意識したフォームづくり

ここで身につけた“体の使い方”が、後年の姿勢・代謝・集中力を支えます。


🧍‍♀️40〜50代:健康維持と代謝キープの時期

筋肉量・ホルモン分泌が少しずつ低下する年代。
放置すると基礎代謝が落ち、太りやすく・疲れやすくなります。
→ ここからは「維持」と「ケア」のトレーニング。

おすすめ:

  • 1日10〜15回×2セット
  • フォーム重視、深さよりも安定重視
  • 椅子スクワット・壁スクワットからスタート
  • ストレッチとの組み合わせでケガ予防

女性ホルモンの減少期(更年期)にも、筋トレは心身のバランス維持に役立ちます。
エストロゲンが減ると骨密度・筋力・代謝が落ちやすくなりますが、スクワットがそのすべてをサポートします。


👴60代〜:ロコモ・フレイル予防

“立つ・歩く”を維持するための運動として最も効果的なのがスクワットです。
ただし無理は禁物。

  • ハーフスクワット(膝を軽く曲げる程度)
  • 椅子スクワット(座る→立つ)を1日10回
  • 支えありで安全に実施

筋肉は年齢に関係なく育ちます。
70代でも、週3回の軽運動で筋肉量・歩行速度が改善するという研究があります。
“いまある筋肉を維持すること”が、介護を遠ざけ、自立した生活を長く続けるカギです。


👶全年齢共通の心得:「継続が最強」

どんなに短時間でも、1日でも多く立ち上がることが人生の質を上げる
スクワットは“運動”というより“生きるための動作”。
継続すれば体は確実に応えてくれます。


💎第10章 まとめ|スクワットは人生を支える“健康投資”

スクワットは、筋肉だけでなく人生を支える「投資」です。
時間もお金もかからず、必要なのは自分の体重と意志だけ


🧭1. スクワットが築く「健康資産」

もちこ健康情報屋の視点で言えば、スクワットは「健康資産」の代表的な積立行動です。
なぜなら、

  • 将来の医療費を減らす
  • 生活習慣病を防ぐ
  • 体調不良による生産性低下を防ぐ
  • メンタル・睡眠の質を改善する
    からです。

“運動をしない人生”は、将来のエネルギーを前借りしているようなもの。
スクワットは、「命の前借り」をやめて、健康を貯める行動です。


💪2. 科学的にも証明された「幸福度の高い運動」

研究では、筋トレを週2回以上行う人は、うつ症状の発症リスクが23%低いと報告されています。
また、筋トレを習慣化している人は“主観的幸福度(QOL)”も高い。
つまり、スクワットは「幸福をつくる運動」。
体を鍛えることが、そのまま心を育てる行為なのです。


🌞3. 「1日10回」から始めよう

続けるためのコツは、「完璧を目指さない」こと。

  • 歯磨き中に5回
  • 朝のニュースを見ながら10回
  • 入浴前に10回

小さな積み重ねが筋肉の貯金になり、気づけば姿勢も代謝も変わっています。
運動が苦手な人ほど、スクワットから始めるのが正解。


💬4. 10年後のあなたへ

今の10回が、10年後のあなたの足腰を守ります。
座る・立つ・歩く——この当たり前が続くことこそ、最大の幸福です。

“老化”は下半身から始まる。
でも、“若返り”もまた下半身から始まる。

今日の10回が、未来の自分を救う。
それが、スクワットという最強の健康投資です。

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